- 投稿日:2024/11/10
- 更新日:2025/09/29

こんにちは、整形外科医のぽっぽです。
今回は擦り傷についてまとめてみました。
はじめに
擦り傷は誰でも一度は経験するケガですが、間違った方法で対処してしまうと、治りが遅れたり、感染のリスクが高まります。ここでは、よくある間違った処置の方法を3つご紹介します。これらのポイントに気をつけて、正しい方法で早く治しましょう。
NGその1:不潔なまま放置する
擦り傷を負った直後に、傷口をきれいにせず放置してしまうのは危険です。傷口に汚れや細菌が残ったままでは、破傷風などの感染リスクが高まります。
対処法:まずは清潔な水(水道水でOK)で傷口をよく洗い流し、汚れや異物を取り除きましょう。
NGその2:消毒薬・石鹸を使う
マキ◯ンなどの消毒薬は一見効果的に思えますが、実は傷の治りを遅らせる原因になります。消毒薬は細菌だけでなく、皮膚の治癒に必要な正常細胞も破壊してしまうことがあるためです。
また、石鹸には界面活性剤が含まれています。界面活性剤は脂質を乳化し、水分で洗い流せる状態にしてしまいます。脂質は人間の細胞の構成要素なので、やはり正常細胞も破壊されてしまいます。
対処法:傷口は清潔に洗い流すだけで十分な場合が多いです。白色ワセリンを塗布すると、後述の乾燥予防になります。
NGその3:乾燥させる
「傷口は乾かした方が良い」という考え方は昔のもので、今は湿潤療法が推奨されています。乾燥すると皮膚の再生に必要な細胞までが死滅します。湿った状態を保つことで、皮膚の再生が早まり、傷跡が残りにくくなります。
具体的には、キズパワーパッドという商品がおすすめです。浸出液が多いときはすぐに白く膨化しますが、そのたびに張り替えていれば徐々に浸出液は減っていきます。
通常のカットバンを貼るのはおすすめしません。カットバンが傷口に接触する部分が浸出液を吸収し、乾燥させるためです。
対処法:専用の絆創膏や湿潤療法用のパッドを使って、適度な湿度を保ちながら傷を保護しましょう。
まとめ
擦り傷は大小さまざまですが、基本は同じです。小さなお子さんや、激しい運動部に所属する中高生、久しぶりの運動で転倒した大人など、さまざまな年代の人が遭遇すると思います。参考にしていただければ幸いです。
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