- 投稿日:2025/01/18
- 更新日:2025/09/29

はじめに
こんにちは、ぽっぽです。
皆様大好き(?)、確定申告のシーズンが今年もやってきます!💰️
数字をいじくるのが大好き!という私のように変わった人間もいれば、個人事業主をされていて憂鬱だーって方もいると思います。どんな方にも等しく機会のある確定申告、今年もぜひ乗り越えていきましょう!
今回のお話の主なターゲットは、ズバリ「育休などのイベントで収入が下がった、『日本の高配当株投資』を行う高年収サラリーマン」です。
例年のように配当金を分離申告課税で確定申告をしようとすると、本来納める必要のない税金を払ってしまうかもしれません。配当控除を意識して総合課税にすることで、賢く税金をコントロールできるようになります。
それでは自分の体験談を交えながら解説します。
前提
⚠️今回の解説では、話を簡単にするため復興特別所得税0.315%は含めていません
⚠️2024年度確定申告から、所得税と住民税の申告スタイルを一致させることになっています。つまり所得税は総合課税、住民税は分離申告課税という申告ができなくなってます。なので場合によっては総合課税にすることで逆にトータルの税金が高くなることもあります。どちらがいいかよく吟味して下さい。
↓詳しくはこちらのリベ大ブログ記事をご参照ください
【超お得】配当金の手取り金額を増やす「配当控除」について解説
そもそも申告分離課税と総合課税ってなに?
確定申告に馴染みのない方からすると、
「申告分離課税?総合課税? なにかの呪文?? あームズい! やっぱ確定申告やーめた!!」
ってなると思います。私もその1人でした。
しかし、税制を学ぶことは、税金をうまくコントロールして手取りを上げることに繋がります。実質賃金がなかなか上がらない現代日本では、なおさら大事です。どうか最後まで読んでみてください。
用語の説明に戻ります。不要な方は下にスクロールして下さい。
【申告分離課税】
申告分離課税とは、特定の所得について他の所得と合算せず、独立して税額を計算し確定申告で納税する課税方式です。対象となる所得には、土地や建物の譲渡所得、株式の譲渡所得、山林所得などがあります。配当控除は利用できません。株式譲渡所得と配当所得の間での損益通算は可能です。
【総合課税】
総合課税とは、納税者が1年間に得た複数の所得(給与所得、不動産所得、事業所得、一時所得など)を合算し、その合計額に累進課税方式で税率を適用して課税する仕組みです。所得が多いほど税率が上がる特徴があり、配当控除を利用できます。ただし株式譲渡所得と配当所得の間での損益通算はできません。
要するに上場株式の配当金で考えると、
・申告分離課税はどんなに他の所得が低くても高くても関係ない。一律で15%の税率。配当控除✖️ 損益通算⭕️
・総合課税だと所得全部ひっくるめた額に税率がかかる。累進課税(所得上がると税率も上がる)のため、5〜45%と幅がある。配当控除⭕️ 損益通算✖️
となります。
配当控除とは?
今回のテーマである、配当控除。以下解説です。
配当控除とは、株式や投資信託の配当所得に対する税額控除で、二重課税を防ぐための制度です。総合課税を選択した場合に適用され、日本国内法人からの配当が対象です。課税所得1,000万円以下では、所得税10%、住民税2.8%が控除されます。外国法人からの配当や申告分離課税を選択した場合は対象外となります。
お得になるのはこんな方
これまでの話をまとめると、こんな方は配当控除を使う方がお得です。
⭕️課税所得900万円未満 (税率23%以下なので、配当控除10%差し引くと、源泉徴収15%より低くなる)
⭕️日本の高配当株投資をしている
逆に、オススメできないのはこんな方です。
✖️課税所得900万円以上
✖️外国法人の株のみ保有
また、以下は影響が出る可能性があるものです。
▲控除の適用(扶養控除・配偶者控除 など)
▲住民税の非課税判定基準
▲国民健康保険や介護保険などの算定基準
体験談
私は勤務医なので、毎年それなりの所得税を納めています。税率はだいたい33%でした。
しかし昨年は育休を半年間取得し、給与所得は半分に減りました。さらに副業をやったわけでもないので、課税所得はそのまま減りました。その結果、例年よりもだいぶ所得税の税率が低くなったのです。今年は20%でした。
分かりにくいので具体的な数値を入れましょう。給与所得550万円、年間配当金50万円とします。
さて、配当金の税率はどうなるでしょうか?
ここで場合分けすると、
【申告分離課税】
源泉徴収15%
50万円 × 15% = 7.5万円
【総合課税】
課税所得税率20% − 配当控除10% = 10%
50万円 × 10% = 5万円
総合課税の方が 2.5万円 所得税を下げられるという結果になりました!
※一方、住民税は総合課税だと、
課税所得税率10% − 配当控除2.8% = 7.2%
50万円 × 7.2% = 3.6万円
申告分離課税だと、50万円 × 源泉徴収5% = 2.5万円なので、差し引き1.1万円の税負担増
トータルで所得税(+2.6万円) + 住民税(−1.1万円)= 1.5万円の節税となりました!🎉
まとめ
いかがでしたか。数字が多いにも関わらずここまで読んでいただいた方は、確定申告フリークの素質ありですね笑
確定申告は、はっきり好みが分かれると思います。苦手な方は途中で挫折するかもしれません。
ただ、慣れれば1時間もかかりません。さっきの例で言えば時給1.5万円です。3時間かかっても時給5千円ですよ? やる価値は十分あると思います。
さらに今はe-taxを使えばスマホとパソコンで完結できます。税務署に行かなくても、郵送しなくてもいいんです。本当に便利になりました。
高所得サラリーマンは普段節税できる幅が少ない分、こういった機会を逃さずに、賢く立ち回りましょう!
お読みいただきありがとうございました。
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