- 投稿日:2025/02/22
- 更新日:2025/10/01

初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回はセオドア・レビット著『T.レビット マーケティング論』2007年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
しかし、600ページ以上もあるので注意。つまみ食いで十分である。
著者:セオドア・レビット
顔は本書の表面に書かれている。
元ハーバード・ビジネススクール名誉教授。1925年ドイツに生まれ、一家はアメリカに移住、オハイオ州デイトンに落ち着き、1951年にオハイオ州立大学で経済学のPh. Dを取得した。
ノースダコタ大学で最初に教鞭を執り、一貫して教職に携わったが、1959年からハーバード・ビジネススクールの教壇に立ち、1985年から1989年は『ハーバード・ビジネス・レビュー』誌編集長も兼任した。2006年に81歳で永眠。
著者のセオドア・レビットはピーター・ドラッカー、マイケル・ポーター、クレイトン・クリステンセン、ヘンリー・ミンツバーグなどと同じようにマーケティングの巨匠と呼ばれた。
他の巨匠も本と共に紹介しているので、是非興味を持ってくれると嬉しい。
✅ 製品ではなく顧客を中心に考えるべきである。
✅ 市場の衰退は企業の努力不足による。
✅ 顧客のニーズを満たすことが成功の鍵となる。
本書はマーケティング界に実に大きな影響を与え、現代マーケティングの思想に大きく貢献した。
また、『ハーバード・ビジネス・レビュー』に掲載された彼の全論文を収めた一冊であり、冒頭の「マーケティング近視眼」は今でもオススメできる作品である。
広告に関してこのような表現をしている。
およそすべての広告は、芸術と同じで主観が入っている。
現実を忠実に映し出したものではなく、歪んでいる。
厳密には虚構だと言える。
セオドア・レビット著『T.レビット マーケティング論』
広告には高い倫理が求められていないが、正当化するわけにはいかないと主張し、広告は広告主の立場に立って、現実をデフォルメしているに過ぎないと適切に示唆している。
ただし、 現代にも通じる教えもある半面、社会的責任に関してはいい加減なのは時代ならではかもしれない。😅
しかし、これだけは言える。あらゆる商品は必ず陳腐化する。
成長の真っただなかにいると思われている産業が、実は成長を止めてしまっていることもある。
セオドア・レビット著『T.レビット マーケティング論』
人々は豊かになり続けるから、間違いなく今後も成長する。
主要製品の代替品はないと確信している。
大量生産による生産コストが限界まで下がる。
こういった流れには限界が必ずやってくるのだ。
スペンサー・ジョンソン著『チーズはどこへ消えた?』で語られるように、1度手に入れたものに執着すると前に進めなくならないようにしよう。
『T.レビット マーケティング論』
マーケティングの基本を理解する
製品中心ではなく顧客中心
顧客の悩みを掘り起こせば、成長の種は必ず見つかる。
⇒ 企業は顧客のニーズを理解し、満たす努力を怠ってはならない。
多くの企業が製品を中心に考えるが、それは間違いである。
成功する企業は「顧客が求めているモノ・コト」に焦点を当てている。
「コンビニ市場は、もう飽和した」と言われ続けてきたが存在し続け、私たちの生活に欠かせない。
理由は単なる小売業に甘んじなかったから。
公共料金の支払い、宅配便の取次、銀行ATM設置、冬のおでん販売、安く高品質なPB(プライベートブランド)商品開発、カフェのようなレギュラーコーヒー提供などキリがない。
PB(プライベートブランド):小売店・卸売業者が企画し、独自のブランドで販売する商品。 自社の意向を強く反映させられ他社商品と差別化しやすい点や、安価ながら利益率が高い点などがメリット。
コンビニの進化はまさに「顧客にとってもっと便利な存在になる」と変化し続けてきた結果である。
P·F·ドラッカー 著「現代の経営」
「企業の目的として有効な定義はひとつしかない。顧客の創造である。」
物事はシンプル。「誰かが喜ぶ」から「お金は動く。」
デービッド・A・アーカー著『ブランド優位の戦略―顧客を創造するBIの開発と実践』
タイトルのBI(ブランド・アイデンティティ)は企業や商品・サービスが持つ独自性や価値観、ビジョンなどを表現し、顧客にどう思われたいかを明確にした概念のこと。
「ブランドをどう見られたいのか?」=「顧客のニーズを満たす」
こちらもマーケティングの基本である。
市場の衰退と企業の責任
市場が衰退するのは企業努力の欠如
現在低迷する産業も、登場時は成長産業だった。
コンパクトデジカメがフィルムカメラを市場から追い出した。
しかし、コンパクトデジカメはスマホカメラの登場で生産量は激減していく。
コンパクトで解像度の高く、多機能な土俵ではスマホに勝てなかった。
「市場が衰退しているので、厳しい。」というのは間違っていると示唆している。
単なる「マーケティング努力の不足」だと。
市場への責任転嫁に過ぎないのだ。
デジカメは「写真業」から「別のサービス」に変化することが求められていたのだ。
鉄道会社は事業を"鉄道"としたから滅んだ。"輸送"とするべきであった。
セオドア・レビット著『T.レビット マーケティング論』
⇒ 市場環境に適応しない企業が衰退の原因となる。
あらゆる市場は変化する。
衰退するのは市場そのものではなく、変化に対応できない企業である。
クレイトン・クリステンセン著「イノベーションのジレンマ 増補改訂版: 技術革新が巨大企業を滅ぼすとき」
技術革新が企業の地位を危うくすることを紹介する本。
新たな顧客を生み出す視点がイノベーションのカギと語る。
スコット・ベドベリ著『なぜみんなスターバックスに行きたがるのか?』
スターバックスは肉体と魂を満たすエネルギー企業と考えた。
決して、フードサービス業ではないと。
顧客の不満をチャンスに変える
不満を洞察で解決する
市場の衰退は過去の技術だけではない。
照明器具で考えるなら、LEDの台頭が目覚ましい。
白熱灯からLEDにシフトがどんどん進んでいる。
まさに「市場が衰退しているので、厳しい状態」
全ての会社がLEDに完全集中となれば、価格競争は避けられない。
そこで、2018年、バルミューダは定価3万7000円の照明「BALMUDA The Light」を発売した。他のLEDとは比べれば非常に高価だが、市場で高く評価されている。
プレゼントにもいいかもしれない。
文字を書き出すと。子どもなのですから仕方ありませんが、あまりにも机に顔を近づける姿が気になるようになりました。目が悪くならないかと心配になり、姿勢を注意するのですが、言われて背筋を伸ばしているのは、いつも30秒くらい。すぐに元に戻ってしまいます。
(中略) なるべく子どもたちの目を悪くしたくない。
何か自分にできることはないかと考えてみると、幸運にもバルミューダは技術の会社。
こうして「子どもたちの目を守る光」というコンセプトをもったデスクライトの開発が始まりました。
参考外部サイト:「BALMUDA The Light」開発ストーリー
⇒ 顧客の不満に耳を傾け、新たな価値を提供する。
売れる製品は顧客の「これが欲しい」というきっかけで生まれる。
製品よりも顧客価値を重視する
販売とマーケティングの違いを理解する
「販売」と「マーケティング」は正反対であるとしている。
・「販売」は「製品を現金に換えたい」という売り手のニーズから
・「マーケティング」は買い手のニーズが出発点になる。
⇒ 販売は製品を売ること、マーケティングは顧客価値を提供すること。
企業の使命は、顧客を創造し、満足させることにある。
成功する企業は顧客の不満を見逃さない。
不満を解消することで、新たな市場が生まれる。
短期的な利益にとらわれず、長期的な視点で顧客の満足を追求すべきであると論文には語られている。
大切なのは製品ではない。顧客を創り出し、満足させることである。
ジェフリー·ムーア著『キャズム Ver.2』
キャズム(大きな谷)は新商品普及の過程で訪れる大きな壁を指す。
新商品普及の最大の壁は顧客心理を理解しなければ突破できない。
まとめ
✅ 製品ではなく顧客を中心に考えるべきである。
✅ 市場の衰退は企業の努力不足による。
✅ 顧客のニーズを満たすことが成功の鍵となる。
⇒ マーケティングの本質は顧客価値の創造である。
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれる。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えることを願っている。
見ていただきありがとうございました!😆