- 投稿日:2024/12/28
- 更新日:2025/10/01

初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回は三宅香帆さんの「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」2024年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
著者:三宅 香帆
文芸評論家。1994年生まれ。高知県出身。京都大学大学院人間・環境学研究科博士前期課程修了(専門は萬葉集)。著作に『(読んだふりしたけど)ぶっちゃけよく分からん、あの名作小説を面白く読む方法』『推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない―自分の言葉でつくるオタク文章術―』『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』『人生を狂わす名著50』など。
「そういえば最近、全然本を読んでいない」
「働いているうちに本が読めなくなった」
実に由々しき問題である。
電車に乗っている時間
夜寝る前の時間
スマホを眺めている時間
休日の睡眠時間
スキマ時間
今では、ほぼ無料で読めるようなサービスも整っている。
電子書籍も登場し、もはや持ち運ぶ必要すらない。
それでも、総省統計局が2022年に発表した社会生活基本調査(令和3年度調査)によれば、日本人の学習時間は平均13分。
趣味の読書もあるだろうが、優先順位が低いのは間違いない。
本を読む時間を捻出できないわけではないが、余裕はない。
もちろん、大切な時間が読書である必要はない。
しかし、「自己投資や文化的な時間をとれない」のは問題である。
✅ なぜ読書時間が減るのか?
✅ 趣味や自己啓発の位置づけが変化した。
✅ 「労働による自己実現」が読書を「ノイズ」にした。
なぜ読書時間が減るのか?
仕事への全力投球が趣味を圧迫する
現代社会では、プライベートや趣味よりも仕事を優先する価値観が根強く、「仕事第一」を美徳とする風潮がある。
「収入の維持」や「仕事で迷惑をかけない」価値観が趣味や読書の時間を削る要因となる。
⇒ 心身の健康やプライベートの充実を犠牲にしていないか?
・ビル・パーキンス著『DIE WITH ZERO』
今しかできないことに時間とお金を使う重要性も理解しよう。
とはいえ…。
生活の余裕不足が読書時間を奪う
働けども生活が楽にならない状況では、趣味や読書の優先順位は低くなる。
私個人の考えとして、どん底にいる人間は本を読めない。
ちょっとでも読めるなら、チャンスはある。
学長🦁の「お金がないと、頭が悪くなる」にも通じるのかな…🤔
残念な話だが…。
読書は費用対効果(コスパ)は悪くないが、即効性(タイパ)に欠ける。
心理学において、報酬は「即時報酬」と「遅延報酬」がある。
参考:ジェームズ・クリア著『Atomic Habits』
「即時報酬」:ある行動により、欲求や報酬が即時満たされる。
「遅延報酬」:ある行動により、欲求や報酬に時間がかかる。
人間は現代まで生き残るために、「即時報酬」への感度が高い。
今日から固定費を削減できる「ノウハウ」
1ヵ月でこれをやれば1万円稼げる「ノウハウ」が好まれるのは当然である。
ノウハウ図書館の記事で直接的にすぐ「儲かる」方法の記事は価値がある。
つまり、「私の記事を読んでも、すぐに収入は増えない」ということだ😅
誠に申し訳ない。
しかも、読んでいるだけでは身に付かない。
私がなぜ記事を書くかといえば、インプットとアウトプットを繰り返さなければ私のものにできないからである。
もちろん、本を読むことだけが「選択肢」ではない。
しっかりと選んだ「自己投資」なら何の問題もない。
この点はハッキリしている。
資格勉強も副業も、目的がしっかりしていればよい。
とはいえ、生活の余裕を増やすためには「知識や見聞」を増やす「自己投資」は欠かせない。
まずはリベシティの「宿題リスト」を進めて、「5つの力」を高めよう。
土台が整えば、自然と「自己投資」に向いてくる。
時代が読書を「ノイズ」にした
短時間で答えがわかる情報が好まれる現代。
本の「長さ」や「無駄」とされる部分が敬遠されている。
読書の位置づけは時代に応じて変化してきた。
それでは本と歴史のお話をしよう。
明治から大正
日本が近代化してきた明治から大正時代
読書は「立身出世を目的とするエリートの教養」だった。
丁稚奉公から、独立し会社や店を持つ。
そのための教養である。
福沢諭吉の『学問のすゝめ』では「賢人と愚人との別は学ぶと学ばざるとによってできる」と説いている。
サミュエル・スマイルズによる『自助論』も明治時代の1871年に邦訳版が出たのはそんな背景からである。
戦前~戦後
戦後は「高度経済成長期」がやってくる。高度経済成長期:1950年代半ばから1970年代前半にかけて日本が経験した急速な経済発展の時期。現在の日本になった理由ともいえる。
この時の読書は「社内のエリートに追いつくための教養や自己啓発」だった。
頑張れば頑張るほど、給料が増える。
本も安価になり、大衆にも手が届く。
「読書」はこの時から、「大衆の教養」となった。
余談だが、1970~80年代に入ると日米関係は政治、経済の両面で良くなかった。
「ジャパンバッシング」と呼ばれ、米国最大のライバルは日本だった。
バブル期まで
1980年代後半から1990年代初頭にかけて、日本は絶好調😎
日本企業がアメリカの名門企業を買収するなど、“ジャパンマネー”が市場を席巻した。
現在の日本企業的な働き方が定着してきた。
中根千枝 著 『タテ社会の人間関係』
山岸俊男 著 「日本の『安心』はなぜ、消えたのか」
企業文化として、「自己啓発は会社研修」で行う。
年功序列により、個人で勉強せずとも収入は安定する。
「エリートに追いつくための教養」は一部のみで重視されなくなってきた。
結果、戦後までの「読書」とは目的が変化する。
「読書」は「趣味・娯楽」として楽しまれるようになった。
バブル崩壊~現代
バブル崩壊後は「失われた30年」と呼ばれるように日本経済が低迷を続けた。
今までの働き方が見直され、労働力を不当に搾取されるぐらいなら「好きなことを仕事にする」こと。
「自己実現」が肯定的となった。
「自己実現」は「趣味・娯楽」ではなく「仕事」で考えるように。
また、最初に述べたプライベートや趣味よりも「仕事」を優先する価値観はまだまだ根強い。
しかし、働けど生活が楽にならない人は「仕事のために生きる」という生活スタイルに陥る。
「趣味・娯楽」は多様化し、ローエンド版の「無料」でも十分楽しめる。
「無形資産」は「長期停滞」と「格差拡大」を招く。
これが「所得の二極化」をさらに進めた。
【所得の二極化と仕事第一】が、趣味・娯楽となった【読書】をさらに私たちから遠ざけたのだ。
・『デジタル・ミニマリスト スマホに依存しない生き方』
カル・ニューポート 著
・「無形資産が経済を支配する」
ジョナサン・ハスケルとスティアン・ウェストレイク 著
・『情報経済の鉄則』
カール・シャピロとハル・ヴァリアン 著
・『フリー 無料からお金を生みだす新戦略』
クリス・アンダーソン著
・「起業のファイナンス 増補改訂版」
磯崎哲也 著
時代が読書を「ノイズ」にした:結論
早く読める速読術を。
本よりも「本の要約」を。
文章よりもわかりやすい図解を。
30分の動画よりもショート動画を。
今では、「本の要約」も「ショート動画」がある時代だ。🤔
SNSやYouTubeでは、自分の好みに合った情報が手軽に得られる。
もちろん、ビジネスとしては、正しい進化である。
ただ、作る側、消費する側はそのことを理解する必要がある。
読書のように時間がかかり、必要のない情報(ノイズ)が含まれる活動は敬遠された。
⇒ 読書の過程にある「価値」を再認識しよう。
…と、本書でも「日本で本が読まれてきた歴史」が長々と述べられており、タイトルで期待した「なぜ本を読めなくなるのか」という結論にすぐに到達できない😅
この記事を書く際に「動画での要約」を見たが、歴史は見事に省略されている。😅
このような構造が、読書を「コストパフォーマンスが悪い」と感じさせる原因になっている。
記事やビジネスでは「先に結論を言ってしまうこと」を求められている。
「サビ頭」や「PREP法」のテクニックが何よりの証拠である。
参考:「新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング」
少し悲しいが、まぁ…無理もない。🤔
私が考える「読書の価値」
「読書の価値」は複数の本で見つかる「共通点」である。
「共通点」とは我々にとって、「再現性の高い」法則や原理である。
再現性のある宝くじ売り場なら、誰でも走って買い占める。
絶対はないが、勝率の高いサイコロは存在する。
「読書」にはその可能性がある。
「読書」は複数を読むことでその「真価」を発揮する。
「読書」は「複利」で考えるべし。
まとめ
⇒ 働き方と読書のバランスが人生を豊かにする鍵。
⇒ 本書では「働きながら読書を楽しむ工夫」も載っている。
⇒ シロマサルの「本の要約」でもいいよ!知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆