- 投稿日:2024/07/19
- 更新日:2025/11/05
NISA口座の金融機関変更のタイミングと注意点
地銀やメガバンク等で開設したNISA口座を、楽天証券やSBI証券へ変更する場合、または楽天証券⇄SBI証券へ変更する場合に知っておきたいポイントを整理します。
✅ 手続きのタイミング
・前年10月1日~変更したい年の9月30日まで
→ 10月以降は翌年分の変更手続きになります。
・翌年の年始から新しい証券会社でNISAを使いたい場合は、前年12月中旬ごろまでに手続き完了が目安。
✅ 手続きにかかる時間
・金融機関と税務署のやり取りがあるため、1か月程度かかることも。
・余裕をもって準備するのがおすすめです。
✅ 変更できないケース
・年に1回しか変更できない。
・その年に一度でも買付をしてしまうと、その年の変更は不可。
例)2025年に1度でもNISAで買付 → 変更は2026年から(手続きは2025年10月以降)
⚠️ よくある失敗例
・「年が明けてすぐにNISAで買付してしまい、その年は金融機関変更ができなくなった」
・「12月末ギリギリに申し込んだら、翌年の年始取引に間に合わなかった」
ポイントまとめ
・変更は「年1回」「時期は10月~翌年9月末」
・年内に買付したらその年は変更できない
・翌年の年始から使いたいなら12月中旬までに完了
👉 タイミングと条件を確認したら、次はいよいよ変更手順を見ていきましょう♪
NISA口座変更の手続き(書類の種類)
現在NISA口座がある金融機関に「NISA口座の金融機関変更をしたい」と申し出ると、以下のどちらかの書類を受け取ります。
1️⃣ どの書類をもらうのか?
・NISA口座に残高がある場合
👉「金融商品取引業者等変更届出書」
・残高がない場合
👉「非課税口座廃止届出書」
2️⃣ 提出後に交付される書類
・「金融商品取引業者等変更届出書」を提出した場合
👉 勘定廃止通知書
・「非課税口座廃止届出書」を提出した場合
👉 非課税口座廃止通知書
⚠️ 保有商品の取り扱い
このとき、すでにNISAで保有している商品がある場合、
・そのまま 保有を続ける
・売却する
のどちらかを選択できます。
👉 ポイントは「残高があるかどうか」で手続きが変わる、ということです。
前のNISA口座で買い付けた商品はどうなる?
基本ルール
・旧NISA/新NISAどちらの場合も、非課税のまま新しいNISA口座に移すことはできません。
・ただし、変更前の金融機関にそのまま残しておけば、非課税で保有し続けることは可能です。
選べる選択肢は2つ
1.前の証券会社にそのまま残して非課税で保有
・例:楽天証券からSBI証券にNISAを変更しても、楽天証券の旧NISA分はそのまま非課税で運用できる。
2.売却して、新しいNISA口座で買い直し(植え替え)
・優良インデックスファンドを持っているなら、売却→新NISAで再購入しても実質的に運用は変わらない。
・ただし「売る/買い直すタイミング」によって、値動きの影響は受けます。
とはいえ、売却してすぐに同じ商品を買い直すのであれば、長期投資の視点では大きな問題にはなりにくいと思います。
出典:リベシティ公式図解
前のNISA口座が旧NISAの場合はどうする?
2023年までに購入した旧NISAの資産は、非課税期間中であればそのまま非課税で運用できます。
・一般NISA:非課税期間は5年
・つみたてNISA:非課税期間は20年
そのため、対応方法は保有している口座の種類によって異なります。
一般NISAを保有している場合
非課税期間の残りが短いため、売却して新NISA口座で買い直すのが基本です。
つみたてNISAを保有している場合
非課税期間の残りが長いため、次の基準で判断しましょう。
✅ 新NISAの上限1,800万円を埋められそうな場合
旧NISA(つみたてNISA)の分はそのまま保有。新旧両方の非課税枠を活用できます。
✅ 新NISAの上限を埋められそうにない場合
売却して新NISAで買い直し。証券口座の整理ができ、資産管理もシンプルになります。
注意点
・旧NISAの非課税期間が終了すると、自動的に課税口座に移されます。
・非課税期間の終了前に売却すれば、非課税で利益を確定できます。
・移管時の取得価額は、非課税期間終了時(最終営業日)の時価となります。
→ 移管時の時価が新たな取得価額となるため、「当初の購入価格」より下がっていても、移管後に売却すると課税される可能性があります。
まとめ
「旧NISAを残すか、新NISAにまとめるか」は、
・非課税枠をどこまで使い切れそうか
・口座をどれだけシンプルに整理したいか
この2つを軸に判断すると分かりやすいでしょう。
前のNISA口座も新NISAだった場合はどうする?
この場合も、前の証券会社で非課税のまま保有を続けることが可能です。
一方で、口座をまとめて管理したい場合は、売却して新しいNISA口座で買い直すという選択肢もあります。
売却して買い直す場合のポイント
✅ **新NISAは「売却するとその分の非課税枠が復活」**します
ただし復活するのは 時価ではなく「簿価(買ったときの金額)」 です。
✅ 年間のNISA投資上限(360万円)に変わりはありません
(積立投資枠120万円 + 成長投資枠240万円)
✅ 非課税枠が復活するのは翌年以降
売却した年のうちにすぐ使えるわけではありません。
タイミングに注意
・売却 → 約定 → 受け渡し(入金) が年内に完了していれば、翌年の取引に間に合います。
・投資信託の場合、約定から受け渡しまで数日かかるため、年末ギリギリでは間に合わない可能性があります。
例)2025年の年始取引に間に合わせたい場合は、2024年12月中旬までに売却を完了しておくのが安心です。
復活時期の注意点
売却した分の非課税枠は「翌年以降」に復活します(金融庁公式)。
必ず1月1日とは限らず、事務処理の都合で遅れる可能性もあります。
そのため、投資信託など受渡に日数がかかる商品は、年末ぎりぎりでなく余裕をもって売却しておくのが安心です。
まとめ
・前の新NISA口座の商品は、そのまま非課税で持ち続けてもOK
・まとめて管理したい場合は「売却→買い直し」で新NISA口座へ
・売却のタイミングは「年内受け渡し完了」が必須
・非課税枠の復活は翌年、かつ必ずしも1月とは限らない
売って買い直す場合の注意点
売却した資金が口座に入金されるまでにタイムラグがあるため、その間に値動きが発生する可能性があります。
ただし、15年以上の長期投資であれば一時的な値動きはあまり気にしなくても大丈夫です。
もし余剰資金がある場合は、売却と同日にその資金で買い直す(同日決済)ことで、値動きを気にしないで済みます。
楽天証券かSBI証券で手続きする
証券総合口座が開設済みかどうかで手続きが違います。
各証券会社の手順に従ってください。
総合口座とNISA口座の同時申込もできます。
SBI証券 NISA口座の金融機関変更
楽天証券 NISA口座の金融機関変更
※少額から高配当株投資をする予定がある場合は、単元未満で取引できる株の種類が多い「SBI証券」の方がオススメです。※注1
※注1
2024.7.24 追記
東京証券取引所は、100株単位の取引ルールの変更を検討、来年3月を目処に策定と発表。
これにより、単元未満やかぶミニなど関係なく、どこの証券会社でも1株単位の取引が可能になるかもしれません♪
よくある質問 Q&A
Q1. 10月にNISA口座の変更手続きをすると、2024年中はもうNISAで取引できませんか?
A. すでにその年にNISA口座で取引している場合、年内は現在のNISA口座で取引可能です。
10~12月に行う「NISA口座の変更手続き」は、あくまで翌年から使うNISA口座の予約と考えてください。
なお、投信の積立設定をしている場合は、12月の積立が終わったら自分で設定を解除しましょう。
そのままにしておくと、翌年以降は買付エラーになってしまいます。
Q2. SBI証券のNISA口座で、2025年1月からクレカ積立を始めるには、いつまでに設定が必要ですか?
A. 2024年12月10日(火)までに設定が必要です。
もし間に合わなかった場合でも、
・2025年1月以降に「証券口座からの引き落とし(現金決済)」で積立設定すれば、翌営業日に積立買付が可能です。
・また、積立ではなく「スポット買付(1回限りの購入)」であれば、いつでも発注できます。
いいね♡ や一言コメントいただけるとうれしいです♥
お読みいただきありがとうございました♪
関連記事
【初心者必見】NISAを始める前に“絶対”やるべき3つのこと!
【1Password】証券口座の取引パスワードを1クリックで入力する方法
夫婦・パートナーとの家計管理
【SBIコンボ】夫婦の家計管理 〜どちらか一方が家計管理を担う場合〜
【SBIコンボ】ハイブリッド預金について解説!
【手数料無料】サブバンクから住信SBIネット銀行への資金移動の方法
【手数料無料】楽天証券を利用した資金移動方法
楽天コンボで目的別に資金を管理する方法
投資信託を目的別に管理する方法
【楽天コンボ】給与受取口座を変更できない場合に手数料無料で資金移動する方法
【楽天コンボ】楽天銀行と楽天証券の自動スイープ機能を解説!
【楽天コンボ】どの楽天カードを選べばいい?
住信SBIネット銀行アプリ「スマート認証NEO」エラーの対処法
いいね♡ や一言コメントいただけるとうれしいです♥
お読みいただきありがとうございました♪
